『2024 ADDICT OF THE TRIP MINDS Live -summer-』心斎橋club JOULE◆2024.6.22

2024 ADDICT OF THE TRIP MINDS Live -summer-
2024.6.22 sat. 
心斎橋club JOULE 
Text.K子。

例年よりかなり遅い梅雨に入った6月下旬、それでも青空がのぞく大阪の地に、約半年ぶりとなるADDICTが降り立った。会場は前回と同じ心斎橋の“club JOULE”。もはや大阪でのホームという気さえしてくるほど、しっくり馴染んでいる感がある。今回はメインフロアの2階以外に、昨年12月開催時にはCLOSEしていた3階フロアを開放、ステージ後方以外をぐるっと囲むように見下ろすことができる。正面には大きなソファ席、より自由に、好きなように音を楽しめばいい。

定刻を10分ほど過ぎた頃、まるで花火が打ちあがったかのようにドン!ドン!とバスドラの音が数回響き、場内がどよめいた次の瞬間、刻み出す軽快なリズムに合わせて手拍子が起きる。そこにシゲさんが登場。時折一曲目のフレーズを醸しながらドラムに絡み合うように弾み、リズム隊二人の掛け合いがしばし続く。オープニングから何とも贅沢な時間である。

やがて、志門さん、健一さんが姿を現し「今はなき世の中」へ。心地のよいアルペジオに体を揺らしながら、いつになくリアルな歌声がホールに響く。さりげなく人差し指を唇に当て、宙に放つ。一瞬の静寂の後、健一さんがかき鳴らすギターを合図に赤いライトが激しく交差。「旋律」だ。ただ、いつもと何かが違う…歌声の下で奏でる志門さんの“旋律”が、この曲の闘争心に緩急のベクトルを付けている。

2月のFC限定イベント『clubTripS』でもアレンジの効いたナンバーが何曲も披露されていたが、この日も実に多くのNew ver.が用意されていた。中でも印象的だったのは「特別な人」。この曲が終わって時計を見た時、スタートから25分弱が経っていたことに気づいて少し驚いた。ここまで演奏した曲は3曲。そして「特別な人」の間奏部分は実に4分半もある!青白く光るライトの中で各パートの織り成すゆらぎは、まるで水の中でセッションを楽しんでいるかのよう。気持ちいい。このまま目を閉じてずっと揺れていたい…そう感じたのは私だけではないはず。そして、この曲に限ったことではないが、一本の線の上に志門さんが並べる音符の美しさに、改めて感嘆のため息が出てしまう。

「推察の最中で」の冒頭でメンバー紹介が行われ、「ここで一人、一緒にプレイしたいギタリストがいるんですけど…ADDICTのファミリー、17歳」と紹介され現れたのはRio。Motomさんの実息である。スラッとした長身にどこか面影のある姿が奏でる音は、ADDICTのギタリスト二人とはまた違う、豊かなエナメルの質感のような艶を感じる。それを終始嬉しそうに笑顔で見つめていたのは志門さん。まるで弟の晴れ姿を喜ぶ兄のよう。途中ギターバトルが繰り広げられ、二人の間で頭を振り乱しながら踊る健一さん。ボルテージは上がってゆく一方のステージにRioくんの笑顔もこぼれる。何とも見ごたえのある演奏に惜しみない拍手が送られる中、袖に下がっていくRioくんに後ろから見守っていたMotomさんが手を伸ばした。しっかりと握り合い称え合う姿に胸が熱くなる。17歳のこれからには、きっと夢と希望がたくさん待っているに違いない。

火照った体をひとときクールダウンさせるかのような音色に、ステージ前方で「ここまでどうして来たの?」と客席をのぞき込むと、観客もまた、ドキっとする気持ちを抑えながら指先を懸命に伸ばしてくる「ぬくもり求め」。曲の中に一瞬リアルが迷い込む。激しく躍動し、「あ、な、た、は、ど、こ、の、誰、なーのーー!!!」と、破裂しそうに昇りつめる感情。続く「幸せな日々」でも、シャツの肩をはだけさせ体ごと叩きつけるかのように動き回り、頭を振りながら行き場のない叫びを声にする、その気迫を受け取った客席からは大きな歓声が沸き上がったのは言うまでもない。

そして、前半ラストは「あの娘は言う」。

乱れ弾きのベースと高らかに唸るギターに酔いしれたところで、最初のMCに。「サマーライヴ、JOULE、大阪、心斎橋。今日はありがとうございます」前回も確かこんな独特さだったことを思い出す。「皆様の熱い想いでちょっと空気が悪くなってるので」(←もちろん笑うところ)と10分ほど換気休憩に。「ドリンクやグッズを買いに行って戻っても、きっと元の場所に戻れると思うよ」と健一さんは言っていたが、やはり容易くその場は離れられないようだ(苦笑)。

後半は「一人にしないで」から。健一さんの手には陶器のお香立て。目をつぶり香りにまとわれながら悩まし気に歌う姿が、光を受けて美しい陰影を造り出している。「この姿哀れんで…」と、両手を広げ、最後まで目を閉じたまま顔を歪めた様もまた絵になる美しさだった。

ここで、歌が始まるまで何の曲かわからないほどアレンジを変えてきたのが「幻影」。軽やかなドラムにギター、反面妖しく這うベース、“ドンドンドン”というキメがところどころに入り、客席もそれに合わせて頷くように前のめり気味に反応する。一片の根っこは残しながらも、ADDICTの遊び心を感じられる仕上がりになっているのではないだろうか。同様に、誰もが自然と体を揺らしたくなる小気味の良いリズムの「心の中の銃」もまた、すでに2月のFCイベントで披露している“別の顔”である。

そして、志門さんがドラムに向き合いリズムをとりながら弾いている姿が印象的だった「孤独に自由に」、“生きながら死んでいる”と悲しげに健一さんの顔が歪んだ「誰もが気づかない日の午後」。ふと、その曲終わりにシゲさんの前にプシューッと音を立ててスモークが…「なにこれ?もう一回やって」「ここだけじゃん、これもういらない(笑)」と、その重苦しい空気が一転、笑い声が上がる和やかな空間に。

客席が笑顔のまま「輝ける亡者」に突入。そんな流れもあってか、この日いちばんたくさんの腕が楽しそうに上がっていたのがこの曲だったように思う。さらに「上はどう?」と3階フロアから観ている人たちに声をかけると、「本当にずっと観ていたい?本当に!?家帰れないよ!家庭は?」と、しばし楽しげなやりとりに会場が沸く。さすがADDICT、ステージの上も下も実に自由である。そして本編最後は、前回の大阪と同じ「この場所から」。激しく駆け上がるツーバスの力強さにも負けない、重力を感じるスティックが叩きだす音。ミラボールが泡のようにハコの中に充満して、夢の中にいるようなそんな光景だった。

アンコールは健一さんと志門さんの二人で登場。静かに奏で始めたのは「偽り感じて」。囁く歌声に、一音一音きらめくギターの音色、後半合流したシゲさんとMotomさんの優しく寄り添う低音の響き。この曲の清らかさを感じられる素敵なアレンジだ。

「次は冬ぐらいにできたらいいなと思って。どこからどこまでが冬なのかわからないけど」という健一さんらしい(?)告知と共に、「子供たちのためにしかもう俺は生きない」という言葉に、考えさせられた人も多いのではないだろうか。ラストは「無題」。歓声、笑顔、拍手、熱気に包まれ大阪公演は終了した。

ライヴを観た人は気づいたかもしれないが、今回ステージ上の大きなモニターにはADDICTのロゴマークが煌々と光り、オイルアートの演出はなかった。前回この会場でのレポートにて【ADDICT×オイルアート×club JOULE】は最強タッグと書いただけに、今回は無いと知った時とても残念に思ったのだが、健一さんは「初心に返ってやってみよう」と照明スタッフと話したという。無いものをただマイナスと捉えず、有るものでいつも以上の効果が出せるようにチャレンジする。その考え方にまず尊敬の念を抱き、そして実際、それぞれの曲が映える実に見事なライティングだったことに感動すら覚えた。ライヴは生モノ、バンドとスタッフが創り上げるその場限りのステージを、ぜひ全身で感じてほしい。

終演後、外はすごい雨に変わっていた。その数時間後に投稿された健一さんのinstagramストーリーには、来場のお礼と共にそのことを気にかけながらこう記されていた。

『落ちることは上がること』

次回7月7日代官山、雨の向こうの天の川を渡って会場で会いましょう!

***** SET LIST *****          

1. 今はなき世の中
2. 旋律(New ver.)
3. 特別な人(New ver.)
4. 推察の最中で(with Rio)
5. ぬくもり求め
6. 幸せな日々
7. あの娘は言う
8. 一人にしないで(New ver.)
9. 幻影(New ver.)
10.心の中の銃(New ver.)
11.孤独に自由に
12. 誰もが気付かない日の午後
13.輝ける亡者
14.この場所から
————————–
EN.1 偽り感じて(New ver.)
EN.2 無題

◆Photographer : Keisuke Nagoshi

K子。/音楽ライター
神奈川・湘南育ち。音楽と旅行と食べ歩きが大好物な、旅するライター。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。


ADDICT Summer LIVE 東京 7/7(日)代官山情報

★2024.7.7.sun★
TOKYO代官山 UNiT
<DAY>
open_14:00
start_15:00

<NIGHT>
open_18:00
start_19:00

オールスタンディング
¥8,800(税込) 販売中

昼夜通し券(東京のみ)
¥15,500(税込) 残り僅か


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☆一般発売☆
4/6(土) 10:00 ~ 

☆チケット取扱☆
ローソンチケット:https://l-tike.com/aotm/
Lコード:72492

☆注意事項☆
※1公演につき4枚まで
※6歳以上有料、6歳未満入場不可。
※入場の際にドリンク代が別途必要となります。
※入場は整理番号順になります。

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総合問い合わせ:チッタワークス
044-276-8841(平日12:00~13:00/15:00~18:00)

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